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「『マスタ』と『契約書』と『信用』が外食チェーンビジネスを強くする」
1. はじめに

魅力的なお店は、お客さんや注文が沢山集まる。

至極当たり前のことではあるが、順番待ちが長打の列を作っている様な場合や、そのお店が遠いところにある様な場合には、「もう少しお店が増えればよいのに」「もう少し近くに出来ればよいのに」と思うのもお客さんの当然の心理である。


 

人気が出た店の店主の方もそんな絶好のチャンスを逃す筈もなく、二号店、三号店と増えていくことも特別珍しいことでもなんでもなく、むしろ店舗を増やそうと思う方が、経営者としては自然の行動であろうと考えられる。


とは言え、「いくらお客さんからの要望の声があっても」「嬉しい声ではあるが、味や品質にこだわると1店舗でも精一杯」といって、ひとつの店舗でコツコツと営業し、そして長年に渡って繁盛しているお店も珍しくはなく、個人的にはそうした味のあるお店も好きである。

 

では、そうした店が経営者として不自然なのであろうか?


一方、人気店が店舗数を勢いよく伸ばしてはみたものの、お店の数が増えるにつれ、徐々に人気が下がり、「味が変わった」「もうけ主義になった」「お店が少ない頃は良かったのに」という、時には批判の様な声がお客さんから出ることも珍しくない。


とは言え、多数の店舗を出店しても、どの店もちゃんとした店舗運営を維持している企業が多数存在するのも事実であり、そのお陰で、見知らぬ街へ行っても見慣れた看板さえ見つければ安心していつもの味でお腹を満たしてもらえたり、以前は並ばないと食べれなかった美味しいものが比較的身近に味わえる様になっていることも、また事実である。


何が違うのであろうか?


外食業界では、「人気店を作るノウハウ」と「安定した外食チェーンを運営するノウハウ」は別のところにある。

安定した多店舗展開を実現するには、「人気店を作るノウハウ」と「安定した外食チェーンを運営するノウハウ」の両方がリンクする必要がある。

そう考えると、合点がいく。


小生がお手伝いしてさせて頂いている企業のひとつに、チェーン展開の開始時期からお手伝いさせて頂いている先様があり、その業態ではNo,1の地位まで一気に登り詰め、 現在約400店のチェーンを展開、且つ現在も更なる拡大を進めている。

が、その躍進のお手伝いの傍らで目にした、「人気のある業態でありながらチェーンとしては脱落していってしまった」という他社企業も少なくない。


飽くまで個人的な視点ではあるが、これまで見聞きし、感じ、また体験した、成功したチェーンと脱落していったチェーンとの「違い」を、「安定した外食チェーンを運営する為のノウハウ」として整理させて頂いた。

現在「店舗を増やしたい!」と思っておられる方が、何百何千という店舗数のチェーンを達成する為のヒントに、又は幾つかのチェーン本部が陥った「落とし穴」に落ちない為のご参考になれば幸いである。

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